さいたま地裁前・第1回口頭弁論報告集会

2月6日(水)13時から「部落探訪」削除裁判第一回口頭弁論がさいたま地裁で行われました。その後裁判報告集会が15時からさいたま市浦和区にある「埼佛会館」で行われました。

2024年3月13日 「探訪」裁判 第1回口頭弁論
「被告答弁は支離滅裂」池田原告
鳥取ループ・示現舎は出廷せず

 インターネットで被差別部落をさらしものにする「部落探訪」の削除を求めた裁判の第1回口頭弁論が3月13日、さいたま地裁でひらかれた。さいたま地裁には100人を超える支援者が傍聴に駆けつけ、抽選で47人が101号法廷で傍聴した。鳥取ループ・示現舎の被告宮部は、裁判に出廷しなかった。
 口頭弁論では意見陳述がおこなわれ、原告の池田三男・部落解放同盟熊谷市協中条支部長(4面に掲載)と、片岡明幸・埼玉県連委員長(次号4面に掲載)がそれぞれ裁判長の前で意見陳述した。
 池田支部長は「誰もが見られる状態に差別情報がさらされている現状は許しがたい」と述べ、差別情報の削除を裁判官に訴えた。
 片岡委員長は、「部落探訪」が①差別意識を喚起し、身元調査に悪用される②「全国部落調査」の出版差し止め判決に対する被告の報復行為である③削除を求める社会的な批判に対する被告の挑戦である④解放同盟が代弁者として団体原告となることを認めてほしいと述べ、すみやかに削除してほしいと訴えた。
 口頭弁論後、埼佛会館で報告集会がおこなわれた。片岡委員長は被告宮部の答弁書を取り上げ、①宮部は「自分はどこが部落か特定していない」と述べているが、「探訪」のなかには「資料を使って特定した」と書いており矛盾している②「探訪」は「全国部落調査」とは関係ないと述べているが、関係ないならなぜ「部落探訪」という名前を付けたのか辻褄が合わない③名前を変えればいくらでもネットに出せるから削除を訴えても意味がないと述べているが、裁判で負けてもまた別の形で出してやると宣言しているのに等しいことで許せない、と厳しく批判した。
 原告の池田支部長は、「宮部が出廷しなかったのは敵前逃亡だ。宮部の答弁書は支離滅裂で、まったく理屈が通らない」と批判、「最後まで、勝つまで頑張る」と決意を述べた。

山本弁護士が報告 

 集会では、田並尚明県会議員、埼人教の石川享助会長、人企連の筒井宏代表幹事、神奈川県連の根本信一委員長、東京都連の近藤登志一書記長が連帯のあいさつをおこなった。
 山本志都弁護士が裁判の報告をおこない、「多くの傍聴者に感謝したい。さいたま地裁で一番広い法廷が101号法廷で定員は47人。傍聴者があふれたのは関心の高さを示すものだ」と述べた。
 県内19地区が晒されていることについて、「記事がどのように権利を侵害しているのか主張したい。被告が各地区の集会所や墓地などポイントを押さえている点も示したい」としたうえで、「19地区から原告を出すのは困難だが、同盟員が権利侵害されている今こそ、解放同盟が原告になることを裁判で認めてほしい」と述べた。また、「動画リストは地名リストと同じ。被告にどんな形でも掲載してはいけないことをわからせなければいけない」と力強く訴えた。 
 参加者から「部落解放同盟は原告になれないのか」という質問に、「原告になることはできないということはない。すでに原告として提訴している。ただ、団体としてどのような権利侵害があるのかという点については、今後の争点になっていくだろう」と説明した。
 次回の口頭弁論は6月以降になる見込み。

 

2024年04月10日